「不確実な時代」とマネジメント

「不確実な時代」という言葉をときどき目にする。先行きが不透明な今日の社会、経済状況を指し示しているようだ。

なぜ今日は「不確実な時代」なのだろうか。

日本の文脈では、戦後の安定した成長期が終わり、その後の方向性が見えない状況が続いている。ビジネスの短命化など、変化の早い経済の到来を指摘する者もいるだろう。

しかし、おそらく本当の理由は、世の中が不確実であることがわかってきたことだ。

確実な世の中から不確実な時代へと移行したのではない。世の中は本来的に不確実なのだ。そのことが徐々に明らかになってきたのである。

直線的な因果関係を見出すことができない非線形の世界では、われわれにコントロールできることは驚くほど少ない。科学の領域では、多くの事柄が偶然に左右されていることも明らかになってきている。

かつての「確実な時代」は、われわれの意志が世界を導いていると信じていた時代だ。しかし、実際には、われわれが社会や経済の動態について理解していることはきわめて少ない。そのことがわかってきたのが、「不確実な時代」と言っていいだろう。

変化したのは、時代状況ではなく、経済や社会の認識の仕方である。そして、この変化は、各分野で従来の方法論に根本的な見直しを迫っている。

たとえば、無数のモジュールが相互関係し合う都市のエコシステムは、非線形の典型的な例だ。そこでは、計画や政策がそもそも可能なのかが問い直されている。

一方、ビジネスのマネジメントは、こうした変化への対応が遅れているようだ。

ハーバードビジネススクールのエイミー•エドモンドソンは、マネジメントの考え方は、依然「生産工程」のそれであると指摘している。変数を調整することで、アウトプットをコントロールしようという考えだ。

そうしたコントロールが不可能なのが「不確実な時代」であるとすれば、マネジメントの世界は、未だ「確実な時代」にあることになる。

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